こんにちは。
株式会社エス・スリーのスタッフです。
最近、日本の低成長や、後進国化がよくニュースになっています。
毎日WEBで流れてくるニュースを見ているだけだと、なんとなくそうなのか、と流されてしまうこともあると思います。
そこで、世界の他の国々の中での日本の立ち位置を確かめられるようなデータを探してみました。
①実質GDP成長率の世界ランキング
https://www.globalnote.jp/post-12798.html
2021年のデータ。
日本は、193か国中の158位、GDP成長率は1.62%となっています。
地理的に近くの国を見ると、中国は34位で、8.08%、台湾が55位、6.28%。
先進国を見ると、イギリスは39位、7.44%、米国が65位、5.68%、ドイツが138位、2.79%となります。
日本を先進国のカテゴリーに入れるとすれば、日本が最下位、次がドイツといったところです。
おおむね、他の先進国と思われる国々(フランス、スペイン、フィンランド、デンマークといったヨーロッパの国々、オーストラリアやニュージーランド)は3%以上の成長率です。
日本の低成長ぶりが浮き彫りとなっているデータですね。
②平均賃金の国際比較データ(OECD)
https://www.oecd.org/tokyo/statistics/average-wages-japanese-version.htm
このデータでも日本は下から数えた方が早く、イスラエルや韓国、アイルランドよりも低い値となっています。
ちなみに、OECDというのは「OECDは、先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて、1)経済成長、2)貿易自由化、3)途上国支援(これを「OECDの三大目的」といいます)に貢献することを目的」とした組織です。
加盟国は38か国。
③家計可処分所得の国際比較データ(OECD)
https://www.oecd.org/tokyo/statistics/household-disposable-income-japanese-version.htm
日本は真ん中に位置しています。
①と②の2つのデータに比べると相対的に立ち位置が上昇しています。
「家計可処分所得は、家計の所得(賃金と給与、自営業の所得、非法人事業による所得、社会給付等)に、受け取った純利息と配当、支払った税と社会負担を考慮したものです。」
という定義から考えると、賃金は②のとおり下位なのですから、賃金以外の自営業の所得が多いか、もしくは支払った税と社会負担が小さいということなのでしょうか。
(純利息や配当の影響は小さいと仮定します)
少し腑に落ちないので、税と社会負担についてもデータを探しました。
④国民負担率の国際比較
https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/futanritsu/sy202202c.pdf
これを見ると、確かに日本の国民負担率は小さいほうです。
これが、③の結果に影響を及ぼしていそうです。
また、このデータをよく見ると、日本の場合、社会保障は上位(13位/36か国)ですが、税の負担は下位(30位/36か国)です。
日本より税の負担が小さいのは、メキシコ、コスタリカ、米国などの、なぜかアメリカ大陸の国々です。文化的なものなのでしょうか…
日本国内では税金が高いという声も多く聞きますが、データから考えると税を上げる余地があると考える政治家が居てもおかしくないようです。
といっても、元々②から分かるように
・少ない所得から比較的低い税率で税を払い、残るお金と
・多い所得から高い税率を払い、残るお金
の比較も必要ですね。
物価を加味して前者が生活に必要なギリギリならば、当然生活は苦しくなります。増税に反対する人々はこの状態なのかもしれません。
上記4つのデータを見て、やはり日本は低成長であるとはいえると感じました。
成長率が低いために、隣国である韓国や中国は、かつては日本よりも経済的に発展度が低かったはずですが、とうに日本を追い抜いています。
賃金も低いため、消費につながる額が小さいとも言えそうです。
また、今のところは家計が使えるお金は中位に位置し、少なくとも国民が貧乏な国とは言えません。
ただ、①のデータから考えると日本の成長率が低いままだと他の国にどんどん経済規模で抜かされて行くことになり、
いずれは家計可処分所得も下位に下がっていくと予想できます。
社会保障の負担増大も、家計可処分所得の下降に影響します。
と、こう見ると日本の未来があまり明るくなさそうに思えてしまいますが、
みなさまはどうお考えでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。