お疲れ様です。
株式会社エス・スリーのスタッフです。
4月も二週目に入り、新入社員の皆さんもようやくペースがつかめた頃でしょうか。
ChatGPTをはじめとするAIが普及してきた現在、仕事の基本というものも当然変わってきています。
年上の人の言うこと(特に経験談)は参考情報として取り込み、鵜呑みにしないほうが良さそうな気がします。
もちろん、個人の経験談というのは非常に貴重な情報であることは間違いないので、しっかり聞いておくのは大事です。
さて、どこの組織でも、「信頼」を得るのには一定の時間経過が必要です。
いきなり目の前に現れた人物を「信頼」する人は恐らくいないでしょう。
ある期間にわたり、誠実な行動をとり続けてこそ信頼が築かれます。
では、「誠実な行動」とはどのように定義できるのでしょうか。
以前当ブログで書経が出典とされる「九徳」についてご紹介したことがありますが、本日は西洋の「四徳」について記事を書いてみようと思います。
四徳が、「誠実な行動」の定義への助けとなると考えるためです。
「四徳」とは、古くはプラトンの記述に見られます。
その弟子であるアリストテレスも政治体制についての著述「政治学」の中で、徳を持った人々による統治を理想として書いています。
その4つの徳は何かというと、(プラトン「国家」より)
・知恵
・勇気
・節制
・正義
となります。
善いことと悪いことを識別する知恵、
不幸に惑わされず自分の力の及ぶ範囲外のことに動揺しない勇気、
求めるべきではないものを求めない節制、
良い意志を保ち不正を働くことが無いという状態としての正義、
という意味合いのようです。
これは現代でも十分通用する「徳」ですね。
・先輩もやっていることだから、とサボり方を覚えてしまった。
・たまたまうまくやった(ように見える)同期が自分より良い評価を受けているのに嫉妬してしまう。
・お給料をもらい始めたのを良いことに、夜な夜な遊びに出かけてしまう。
・怒られたくなくてつい嘘の報告をしてしまった。
上記はいずれも、新入社員の方、またそうでない方にも普通に起こりうることではないでしょうか。
しかし、これらは「四徳」に照らし合わせれば「徳が欠けている」状態と言えます。
「徳を備えた」状態での行動を「誠実な行動」と考えてみると、現代でも信頼される人物像が浮かんできます。
・先輩が、上司が行っていることでも悪いことは悪いと判断し、流されない。
・同期への評価は自分の力の範囲外のことだから気にしない。自分の力を伸ばすことに専念する。
・今の自分に何が必要なのかよく考え、安易な楽しさに流されるのはやめる。
・自己中心的な考えは捨て去り、常に良い意志を意識して不正を働かない。
上記のような人物は、組織で時間が経つにつれ周りからの信頼度が高まっていくでしょう。
一時的には上手く立ち回る人より低い評価に甘んじることがあるかもしれませんが、ギリシャ時代から続く賢人の知恵「四徳」は、現代のある一人の人間の世渡り術よりもはるかに重要で効果があるものだと思います。
時間が経てばたつほど、「誠実な行動」の積み重ねが実を結ぶはずです。
と、ここまで書いてきましたが、スタッフの私も当然「四徳」は備えていない状態です。
もともとプラトンは徳を備えた政治的指導者による政治を理想としていて、その人が備えているべき徳が「四徳」なので得を備えるハードルは非常に高いとも言えます。
ですが、少しでも意識してみると、現代の生活が少し良くなるかもしません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。